あにめチックツーリスト バンコク編
海賊版警告
.海外激安アニメDVDショップへの道!
[第1部・微笑みの国、バンコク編]
バンコク編TOP
DVD-1 Top
AnimeChic TOURIST -DVD-

プロローグ♪ さあ、ゆこう! 見果てぬ激安アニメDVDの夢を抱いて!


2005年8月某日、成田空港第2ターミナル!
クソ暑い中、浮かれ気分でやってきました!
うへッ! さすが世界の玄関口!
見渡す限り、ホモサピエンスだらけ!
確か今、平日の午前9時だよね?
何? ホリデーな格好のヒトたちばっかじゃん!
両替所では福沢諭吉センセを外貨にぢゃんぢゃかチェンジしとります!
日本ってこんなにカネを持ったヒマ人が多かったっけ?
‥‥‥などと、空港の中を見下げた感覚で見渡してると
くうぱ亀吉、リムジンバスで御登場!
38分遅刻だよ? くうぱ!

くうぱ「この紋所が目に入らぬか!」

ほう‥‥‥‥‥‥‥
38分、ヒトを待たしといて
空回りなギャグでコトをすまそうとするのか?
い〜根性だ。その根性に免じて
今一度、耳に届く言葉で問う‥‥‥‥

くうぱ「アツいのだけはカンベンを...」
‥‥‥などと、天下の成田空港をステージに
軽やかに路上ギャグをかましてるうちに

そろそろ搭乗の時間がやってきました!


さらば! 日本国憲法! こっから先は治外法権!


今回の目的地はタイの首都・バンコク!
なぜ、バンコクに行くことになったのか‥‥‥
思い返せば、一年前のくうぱとの対談、すべてはそこに始まりました!
私が台湾ですごく安いアニメDVDが売られてる事実を知り
それを旧サイトでアニメ対談の中で話したことがあります
(→詳しくはコチラです)
この対談を掲載したあと、旧サイトには全部で15通の
激安アニメDVDのタレコミメールが届きました
それらをとりまとめた結果、確実に『ある』場所として
以下の7つの場所があげられます‥‥‥
良くわかる! 海外激安アニメDVDが確実に『ある』場所
都 市 名詳   細(国 名)
@ 台北西門町の万国百貨店(台湾)
【場所】MRT板南線の西門町駅から徒歩10分
A バンコクM.B.K.の『ONE ANIME』(タイ)
【場所】BTSシーロム線のナショナルスタジアム駅前
B ソウル大学路のアニメDVD販売スタンド(韓国)
【場所】地下鉄4号線の恵化駅前
C クアラルンプール中華街の『S&M Plaza』(マレーシア)
【場所】スターLRTのPlaza Rakyat駅から徒歩5分
D 香港荃豐中心商場(中国)
【場所】荃灣駅から徒歩1分
E 深圳羅湖商業城(中国)
【場所】九広鉄道の深圳駅から徒歩1分
F ホーチミンベンタン市場(ベトナム)
【場所】ホーチミン市内
これらは旧サイトに届いた読者の皆さんからのメールをもとに編集しました
実際に、あるかどーかまでは、責任持てません

ここまでリアルに店舗名まで明らかになってくると
ぜひ行って確かめてみたい、となるのが
ごくごくフツーのアニメ魂でしょう!
そこで、もし仮に現地に行って確かめるとすると‥‥‥
一番近場となるのがBで、近くのSKCプラザや地下鉄1号線の
鐘路3街駅付近の時事英語ビルB1Fにある『ミュージックランド』と
併せて訪問すれば、アニメ激安DVDコースになるかな〜と
思ったんですが、タレコミメールによると
売られてるDVDはリージョン1(韓国仕様)に固定されてるらしく
SKCプラザでは宮崎作品しかおいてないよーですので
Bは今回却下、Cについては品数が豊富でリージョンも
フリーらしいんですが、売ってるトコはそこぐらいしかないらしく
写真撮影も厳禁らしいんですね‥‥‥
あとDEFは不正商品対策協議会の視察がすでに入ってます
そこで残るは@とAとなります
私としては以前訪問した@を再訪してみたかったんですが
Aについて寄せられたタレコミメールの中に、こんな文書があったんです

Xさん(仮名)からのタレコミメール
添付した内容は、紛れもない事実です。
わたしは日本のアニメが大好きです。
(中略)
こんな事ではアニメを作っている人たちが哀れと想い、
去年(2003)8月の訪問時、現地(バンコク)からジーベックのBBSに、
その事実を書き込みました。
しかし、残念ながらいっこうに改善される兆しがありません。
逆に最近現地の販売価格が安くなり
(中略)
(旧サイト名)で採り上げてもらえませんでしょうか?

Xさんは熱心な日本のアニメファンのようです
いまから2年前にバンコクを訪れたとき
それを知って、正義感からアニメ制作スタジオのBBSに
書き込みをしたようなんです。でも、某スタジオは
その意見を採り上げられないとゆう悲劇的な内容でした‥‥
これに心打たれたのが、ウチのくうぱ亀吉でした
くうぱ「やりましょう、バンコク!『あにめチック』がやらずして、どこがやる!」
でもなー。私、オカネないし‥‥
くうぱ「予算なら出す! ええ、いくらでも出しますとも!」
ホント? だったら良いけど‥‥
くうぱ「じゃあ、HISで航空券買うけど、いい?」
待ってよ。私にだってスケジュールはあるし。今、エアチェックしてるアニメが‥‥
くうぱ「じゃ、深夜便を利用しては? 3日で戻ってこれる」
えー。機内泊だとオハダがあれちゃう〜
それにそんな短い日にちで大丈夫なの?
‥‥‥‥などと、ウダウダやってるうちに
よーやく一年たって、旅立つことになりました!

‥‥‥とゆう旅行理由を、イミグレに聞かれたら語ろうとしたんですが
出国管理官はただパスポートにハンコを押すだけで通してくれました
チェッ‥‥つまんないの‥‥
さて。本格的に無国籍エリアに踏み出した私たちは
免税品店をぶらぶらしながら目指すゲートへと向かいます!
えーっと‥‥‥‥ゲートはC88番? C88ってどこよ?
‥‥と、案内板にしたがって歩くこと15分!
何と! サテライト一番北端にありました!

さらにその前には、臨時手荷物検査場があります!
は? 手荷物検査? イミグレの前でやったじゃん!
なんで、このゲートだけやるの?
不思議に思う私たちに、3人の検査官は厳しい眼光で迫ります!
姉さん、いきなりピンチです!
検査官A『この荷物の中は?』
あ、本とか書類とかCDとかですが‥‥
検査官A『金属製の突起物のようなものはありますか?』
いえ。とくには‥‥‥‥
検査官B『では、他の誰かに頼まれて預かった荷物などは?』
誰かに頼まれて?
検査官C『貴方の持ち物以外の物です』
あ‥‥‥‥、この中に本人がいますが?
検査官C『本人?』
はい。これです‥‥
‥‥と、私たちはお馴染みのハンドパペットを出しました!

紹介します。ペロッと斬♪鮫です。私はこのコの黒子役です
くうぱ「同じくくうぱ亀吉、ハンドパペットです。よろしく!」
すると検査官たちは、いきなり失笑!
検査官A『ありがとうございました。良い旅を‥‥』
‥‥と解放してくれました!
さすが『あにめチック』なハンドパペット!
この満たされた容姿で
世界一優秀な成田空港検査官を撃退してしまいました!
(つーか、めっちゃ恥ずかしかったんですけど)
それにしても、不思議な話...
なんで、このゲートに限って2回も手荷物検査するの?
‥‥その答えは0コンマ8秒後に分かりました!
手荷物ゲート向こう側のイスに座って、出発を待ってる人々!
彼らの姿にその答えを見つけました!

ヒマラヤ山脈に挑もうとする勢いのバックパーカー!
ゴキブリのような黒い日焼けな顔で寝そべるフリーター!
オレンジと深紅のカラフルな袈裟をまとうインドの坊さん!
‥‥そう! このゲートから出発する便とは!

エア・インディアAI035便 バンコク経由デリー行き!
成田から出国するバンコク直行便のなかでも
ビーマン・バングラディッシュ航空と並ぶ超格安航空!
しかも週に2〜3本しか日本にやってこないため
長期滞在のオプショナルが最大3ヶ月間可能!
言ってみれば、この便の売り文句は‥‥

無謀にヒマラヤ山脈に挑むのもOK!

チベット密教で人生の悟りを開くのもOK!

スイッキム州の優しい武装ゲリラに銃火器を習うのもOK!

沢木耕太郎や猿岩石なみのアジア大陸踏破もOK!

高野秀行なみにミャンマーに不法侵入するもOK!

エキゾチックな姐さんにカワイがってもらうのもOK!

コルカタの安宿でハシシ(麻薬)で現実逃避するのもOK!
‥‥ってな『深夜特急』や『ビルマ・アヘン王国潜入記』を
バイブルとするディープなインドフリークなジャンルの人々が
集まってくるんですから成田の手荷物検査が
厳重になるのも当然ですね!
まさに日本の20代〜30代の吹き溜まり!
地肌の白い私たち2人は思いっきり浮きまくってます!
さらにイスに座って待つ私たちに‥‥‥
『あの、このカメラのフラッシュの出し方、わかりますか?』とか
『すいません。ボールペン忘れちゃって。わけてもらえますか?』
‥‥などと、社会常識的にあり得ない出発前の不手際を
ここぞとばかりに聞きまくってくる!
人間のスケールとゆう意味では、連中のほーが遙かに狂気で
私たちはマトモな部類に属するのもかもしれません!
何たって、彼らはビザ切れ滞在あたりまえ!
一歩間違えば強制送還な連中なワケですから!
そんなこんなで社会復帰不能な連中の相手をしてるうちに
午前11時30分、搭乗ゲートがオープン!
猛烈な消毒剤の臭いが漂うボーディング・ブリッジを通り
くうぱ亀吉の「ここで解説しよう!」
エア・インディアAI035便は消毒剤を撒きます!


原因はO157の予防のため。
この便とビーマン・バングラディシュ航空は、成田駐機料の節約のため、
到着後にすぐに引き替えすことから、消毒剤を散布し、
日本人搭乗客の安全を計っています。

機内へはいると、これがまた驚きの連続!
壊れたリクライニング、はずれた空調口!
いくら何でもウソだろ‥‥と思ってるアナタ! マジです、マジ!
私の席の窓の側壁にはヒビが入り、パテで補修してます!
こんなんで2,868マイル(約4,500km)も飛べるの?
そんな状況をくうぱは冷静に笑います
くうぱ「珍しい! これ、B747のコンビだよ!」
コンビ?
くうぱ「前半分が客室で、後ろ半分が貨物室のタイプ。
ウィングレッドがついてなかったから、おそらくこれはB747クラシックの300‥‥‥」

クラシックって‥‥やっぱ、古いの?
くうぱ「そうだね。確かB747-300は1982年が初飛行だったと思うよ」
82年? つまり、勤続23年間の飛行機?
くうぱ「国内線ではもうないよ。これは貴重だ!」
あ、そう。だったら窓際の席、譲ってあげる‥‥
くうぱ「ホント?」
私は寝るから、代わりにこの先の解説してよ
くうぱ「私が? いや、でも、それは...」
zzzzz‥‥‥
くうぱ「ホントに寝ちゃった....」

くうぱ亀吉です。えー。では、ご案内いたします...
ただいま時刻は日本時間12時05分、ゲートクローズです!
B747-337、機材登録記号VP-EPW、製造シリアルナンバー24159から、
パッセンジャー・ブリッジがゆっくり離れ、

トーイング・トレーラーが、シップを後方に押します。
12時11分、機内に微振動! トレーラーが離れたようです。
航空保安員たちの、丁重なお辞儀を受けながら、
AI035便は、第2ターミナルビルを後に、エプロンへ。
C滑走路建設予定地付近の、空港建設反対派住民の家を回り込み、
貨物ターミナル、ANAの整備工場の横をすり抜けるように、
誘導路を経て、長い時間をかけて、A滑走路とやってきました。
本日の乗客は目算250名、約320名の定員に対し、
やや空席が目立つキャビンでは、緊急避難案内ガイダンスが続いています。
A滑走路では、上海を8時50分に出発し、

はるばる東シナ海の、空路「コリドー」を経てやってきた、JAL796便が、
34L側(太平洋サイド)からフラップを降ろして、駆け降りてきました。
くうぱ亀吉の「ここで解説しよう!」
コリドーとは?
上海−五島列島(長崎)を結ぶ東シナ海横断航空路の通称です。
1970年代、田中角栄首相が、日中国交正常化を果たし、
その記念に、北京政府から送られたのが空路「コリドー」です。
これが日中を直接結ぶ、唯一の民間航空路です。
この空路を使うのは上海便、昆明便などのほか、ダッカ、デリーへの
直行便も使用します。なお、日本から北京や、中国北部方面へ向かう便は、
一度、ソウル・仁川国際空港上空へと飛び、そこから中韓政府間で
締結したソウル−北京の空路を、間借りして運航されています。
日本政府は、成田−北京の直行空路を持っていません。
原因は、日本が東南アジア便ルートに、台湾領空を使用していることへの
中国側の政治的制裁処置です。ここらかも、日中間の複雑な外交関係が
見て取れます。なお、中国の空港管制言語は中国語!
領空での距離単位は、マイル航法ではなく、メートル法を使用!
領空進退時のコックピットは、ゲージ転換が大変です!

ノーズ・ギア(車輪)がタッチダウンすると同時に、
ボディギアとウィングギアの4脚のカーボンブレーキが赤く回転して駆動、
ローターではスラスト・リバーサー(逆噴射装置)を響かせ、
4つのスポイラーを逆立てながら、
ランウェイ34Lの2,500mほどで、スピードを緩めて無事着陸!
JAL796便が誘導路に入り、ターミナルビルへのタキシングに移ると、
まず、前を行くパリ行きANA205便の、ダッシュ400(B747-400)が、
離陸総重量82万ポンドの「巨体」を揺るがし、A滑走路に進入、

4,000m滑走路を、軽やかに駆け抜け、北総の空へと飛び立ちました!
新潟VORTACを経て日本海を北上し、ロシア沿海州のエディンカ村から、
ツンドラで覆われた、シベリアを横断し、華の都・パリへと至る、
全行程5,604マイル(10,376km)、11時間30分の長い旅路です!

くうぱ亀吉の「ここで解説しよう!」
ロシア沿海州のエディンカ村から....


今、解説したパリ直行ルートは、R-30と呼ばれる航空路です。
R-30はB747などの、重量クラスのシップが辿るルーティングで、
このほかに、欧州便は4本の空路が、設定されています。
なお、シベリアを横断するシップのコックピットには、
不時着時のクマ避けに、ライフルが置いてあります。

ANA205が駆け上った直後、AI035便がゆっくり動きだし滑走路に進入
滑走路に入ると同時に、おっと、いきなり4発のエンジンがブレイク・アップ!
成田名物! ローリング・テイクオフです!

くうぱ亀吉の「ここで解説しよう!」
成田空港のローリング・テイクオフ
ローリング・テイクオフとは、離陸機が滑走路に進入直後、
制止をせずに、そのままランディングに入ることです。
世界最多レベルの発着回数を2本の滑走路でまかなう成田空港は、
太平洋横断の窓口として超長距離対応のB747が、
世界で最も多く発着する空港としても有名、
しかしB747の離発着が可能な滑走路は4,000mのA滑走路1本のため、
(暫定滑走路は2,180mしかないため、オーバーランしてしまう)
常にトラフィック(交通渋滞)で、できるだけ離発着の時間短縮を、
アサインされた各エアラインに要求しています。

ググッと3GクラスのGを受け、ビシビシと響きます!
ゴウゴウと響き渡る、主翼の4発のエンジン音に紛れて、
微かに、床下のほうで、軋む音が鳴り響いています。
コックピットで、機長が、スロットル・レバーを開くたびに、
ケーブルを伝って、エンジン加速をコントロールしています!
(これもB747以前のタイプでしか聞こえません!)
500m、1,000m、1,500m‥‥‥まだあがらない!
すでに速度レベルはV1(臨界点速度)に達しています!
もはや引き返し不能! 乗員乗客270名の生命は機長に委ねられました!
右窓の向こうで、第1ターミナルビルが過ぎ去っていった12時36分、

フワリと一気に浮遊感が全身を包み、あっという間に天空へ!
逆さの16Rの文字と、絶対にお世話になりたくない過走帯が眼下を通り過ぎ、
総成カントリー倶楽部のグリーンが行き去り、
はるか東京へと連なる京成線、新空港道がみるみるうちに小さくなり、
利根川の上を通過したところで、一気に機体はライト・ターン、

かぁっと、強烈な太陽光が、客室右側を煽り、レドーム(機首)は南へ!
やがて、緑と麻色がまだら模様に潤う、房総丘陵が途切れ、
窓には、緩やかな、弓なりの弧を描く、九十九里海岸が。
そして、その向こう側には、はてしない群青色に染まった、
「平穏な海」の銘を宿す、世界最大面積の大海原!

パシフィック・オーシャン!
これで、しばしのお別れです。

さようなら日本、さようなら母なる大地!
毎度ながら、この瞬間が大好きです!
やがて、頭上のベルトサインのランプが消え、
みんな、続々と、トイレへと向かいます。
以上、くうぱのテイク・オフ実況でした!
斬♪鮫さん、そろそろ起きてくださいよ...


さて。私はどーしよーかな‥‥‥
せっかくの機会だから機内探検にでも出ようかな?
‥‥と思って立ち上がろーとしたとき
日本人のスッチーさんが機内食を配り始めました!
スッチーさん『チキンが良いですか? それとも魚?』
どっちにしよう‥‥‥と迷ってると、くうぱが肩を揺るがし
くうぱ「チキンを2つ!」
へ?
くうぱ「エア・インディアのミールサービス(機内食)は、絶対チキン!」
なんで? なんで?
その答えは、すぐわかりました! コレです!

エア・インディア名物・チキンカレー!
うわ! すげぇ! 機内食でカレーが出てきた!
さすがエア・インディア!
あれ? だったら魚を頼むとどーなるの?
くうぱ「ただの、つまんない日本食だよ」
あ、そう! だったら絶対チキンだ!
で。食べてみると、これがまたンまい!
思いっきりカラくて、香辛料がインドしてます!
おまけにヨーグルトと良く合う!
これが機内食とゆうのですから、本場インドは凄いんでしょう!
ん〜♪ 一度はいってみたいな! 今度はインドに!
さらにスッチーさんはポットを持ってやってきました
スッチーさん『コーヒーと紅茶、どっちが良いですか?』
くうぱは、迷わず紅茶を頼みます
私は、今度は逆張りでコーヒーをチョイス!
これは失敗でした!
このコーヒーがマズいこと、マズいこと!
ほとんどお湯に近い、うっすいコーヒーの出がらしです!
一方で、くうぱの頼んだ紅茶をわけて貰うと
絶ウマ! なんてンまい紅茶なの!
くうぱ「本場ダージリンティーに負けず劣らずの味だね」
郷にいれば郷に従え‥‥‥ってこと?
エア・インディアの機内食はカレーと紅茶で決まりです!
さて。カレーで満たされたお腹もご満悦!
ところで今、どこを飛んでいるんでしょ?

窓席のくうぱを押しのけ、眼下を見ると一面の太平洋‥‥‥
わずかに見える豆粒ぐらいの大きさの2つの船が見えます
どっかのマフィアの船が瀬取りでもやってんのかな?
位置がわかればIMGに密告してやるのに‥‥‥!
くうぱ亀吉の「ここで解説しよう!」
瀬取り? IMG?
瀬取りとは?
違う国籍の船が、洋上で会合し、密航者や密輸品を取引する行為。
IMGとは?
国際商業会議所国際海事局海賊センターのことです。

右正面の大型テレビモニターは真っ暗のまま
あれ? フツー飛行機の現在位置、表示しない?
くうぱ「ああ、そういうサービスの期待はダメだね、
この頃の機体は、計器航法からデジタル航法への過渡期の代物だから」

そうなの?
くうぱ「とくにこれはボーイングだからね。ボーイングの
コックピットに、FMS(フライト・マネージメント・システム)を本格的に入れたのは、
B747の中でも、ダッシュ400以降だから。エアバスだったら、A340以降のシリーズなら全機が、
フライト・データー・レコーダーのデーターを、
PES(パッセンジャー・エンターテインメント・システム)とリンクさせているけど」

さすが飛行機オタク! 連れてきて正解だよ!
くうぱ「だから、あのTVは安全説明や映画のVTRを、映すぐらいじゃないの?」
やがて、くうぱの言葉どーり、インド映画をやりはじめました
くうぱ「時間からして、そろそろ台北上空か....」
台北? 台湾通るの?
くうぱ「うん。成田=バンコクはα1という台湾通過ルートを通るんだ」
ふーん‥‥とゆう話をしてるうちに、窓辺に島が見えてきました

じゃ、あれが台湾?
対してくうぱは『お?』と短く呟きました
くうぱ「あれは‥‥喜界島だよ」
喜界島?
くうぱ「奄美大島の横にある島。そうか、やっぱり土佐清水でルートチェンジしたか‥‥」
は‥‥‥?
くうぱ「いま、台北は台風12号が通過中なんだよ。だから関空発着ルートで回避したみたいだね」
くうぱ亀吉の「ここで解説しよう!」
日本=バンコク航空路説明


【成田発着ルート(通称:α1)】
成田→土佐清水沖→鹿児島上空→台北→ダナン→バンコク
【関空発着ルート】
関空→土佐清水沖→種子島→奄美大島→台湾南部→
→(空路G581と合流)→ダナン→バンコク

じゃ、台風には当たらないワケ?
くうぱ「一応ね。でも‥‥」
‥‥との心配もつかの間、機体はガクガクと揺れ始めました!
機内にベルトのコールサインが鳴り響きます

スッチーさんは慌ててウィンド・フードを閉じるように言います
震動は徐々に強くなり、キャビン全体が重たい雰囲気
そんな中で淡々と流れるインド映画‥‥‥
ときどき外で鳴り響く雷鳴に、画面がフリーズの連続!
本格的にマズいことになってきました!
ただでさえお古な機体で、台風の真横を強行突破!
インド人機長の自信か、あるいはアバウトさか!
いったいどうなってしまうの?
そんな中、くうぱはスッチーさんの制止も聞かず
トイレに向かうフリをして反対側の空席へと赴き
ウィンド・フードを開け、写真を撮ります!

くうぱ「ここで解説しよう! これが台風の側壁の雲!」
なんて危険なマネを!
AI035便は台風をギリギリかわして南シナ海へ!
やがて震動もなくなり、最悪のインド映画も終わり
ウィンド・フードを上げると

あー! 海岸線!
くうぱ「ベトナム。ダナン上空を通過中....」
あれが地上の楽園・ダマン?
くうぱ「ダナン!」

身を乗り出してヤンマーニと叫びたくなります!

米兵が殺されたベトコン激戦地の北部山岳地帯を
ゆるやかに通過し、バンコク便上空通過料と
入国税31USドル(3,255円)が国家経済を支える
貧国ラオスと抜けてきます!

ダナンからインドシナ半島を横断してちょうど一時間!
AI035便は緩やかなカーブを描き着陸態勢!
日本時間18時13分、現地時間16時13分‥‥‥
バンコク、ドン・ムアン国際空港の滑走路に無事着陸!
所要時間6時間40分! よーやく到着しました!

んー! 長かったです!
くうぱ亀吉の「ここで解説しよう!」
ドン・ムアン空港最期の勇姿!


2006年11月からバンコク発着の国際線は
スワナプーム新空港に移転します!
したがって、ドン・ムアン空港の勇姿はこれが見納めです!




第1章♪ バンコク3大無法地帯の旅へ!








あにめチック観光協会
(C) 2005 AnimeChic TOURIST, All rights Reserved.
inserted by FC2 system