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 夏だ！ アニメだ！ 中央アジアだ！ さあ！ 今度こそ本格的にシルクロードに乗り出すぞ！ ――――と華麗に優雅にたおやかに登場をしたかったんですが   どーゆーワケか、ソウル・仁川国際空港のターミナル内を 追い立てられるよーにダッシュをかましてます！ 勘違いしないでください。反日運動家に追われてるワケでも コロナウィルスが怖いワケでもありません！ 今回の中央アジア遠征にあたり、私はアシアナ航空を使って ソウル経由での現地入りを目指してたワケですが   成田−ソウル便が出発前点検で 第２エンジンがバードストライクをしてるコトが判明し   鳥の死骸除去で３時間の遅延が発生！ その後、なんだかんだと作業が長引き   16:54によーやく成田空港Ａ滑走路を離陸し ソウルに到着したのが18:43となってしまいました   フツー、こーしたトラブルの場合、接続便はとっとと出発しちゃいますが 今回はアシアナ航空の特別な計らいで   バードストライクした便の乗継客全員の接続全便を 現在、各ゲートで乗継客の接続待ちをさしてる状態です   特に私が乗るアルマトイ行きの接続便の乗継ぎは17名と最多な人数で 走れ！ マッハダッシュで出発ゲートに向かえ！ ――――と、数百メートルごとに配置されたアシアナ職員のかけ声のもと   この広大な クッソーッ！ なんで私がこんなメにっ！ 恨むぞ！ アシアナ航空！ いったい39番ゲートはどこだよ！   アレか！ 一番端っこぢゃねーか！ クッソー！ あー。着いた、着いた‥‥へ？ とっとと乗れ？   待ってよ。一枚写真撮らせてよ‥‥一枚だけ！ はい、パシャ！ 客室内は‥‥ありゃ？ 思った以上に静かです 先に乗り込んだソウル発の韓国人どもが、気怠い顔をしながら なんで日本人のバカどもを待たなきゃいけねーんだよ と内戦状態を通り越して、もはや諦めムードな状態と化してます そんな中、猛ダッシュしてきた私が、ガシャガシャと やかましく荷物棚に手荷物を押し込んだことに 韓国人どもがコメカミをピクピクさせてます！ ヤツらからすれば一時間以上も機内で待機してんだから キモチ的には同情しますが、それでも私は言いたい！   私が悪いんぢゃない！ 鳥が悪いんだ！――――と！ かくして私を含めた17人の乗り継ぎ客がそれぞれ着席すると ちょーど成田で預けた受託荷物が機内に納められたよーで 床下のカーゴ・ハッチを閉じる音が、ガタン！と鳴ると同時に アシアナ航空577便はゲートクローズ――――   当初の予定より2時間遅れの20:05 仁川国際空港の滑走路を飛び立ちました――――   ソウル市街地から運ばれた水蒸気が夕凪に乗って 雲霞となって流れ込む黄海の上空を掻き分け アシアナ機は高度を稼ぎながら西へと針路を定めます  そして。目標高度の高度1万キロとなったとき 機体を水平へと均し、静かにベルトサインが消えた頃 出発を待ちこがれた乗客は緊張感から解放されたためか 誰一人立ち上がることなく、眠りの世界へと落ちてきました 窓辺で織りなす天空の躍動と機内の静寂―――― そんな光景に私の中の哲学者が呟きます   静寂は美しい――――――――！ それよか皆さん中央アジアです！ 皆さんは中央アジアとゆーと、どんなイメージをお持ちですか？   はい。ポカンとしてますね。良いですね。そのマヌケ顔！ 私たち日本人にとって中央アジアとはまさに空白！   無縁！ 無知！ 放置！ 想定外！ 問題外！ 人畜無害！ キチガイ！ 薬害！ 中心街――――んん？ ちょっと待って？ 中心街？ そこの方、中央アジアと聞いて アジアの中心なんて思っちゃったりします？ あちゃあ‥‥‥   大変です！ この中にバカが一人まぢってます！ エヴァ的極太明朝体フォントで申し上げます！ 
コレがアジアと呼ばれる地域の地図です！ 
中央アジアの西外縁部に欧亜境界線がかすめてるコトから ココらの地域はアジアの北西部であって『 中心 』ではありません ぢゃ。アジアの中心とはどこか、とゆーと 公式に『 アジアの中心 』を表明してるのは ロシア連邦のトゥヴァ共和国の首都・クズルの中心部のエニセイ川の堤防の上に アジアの中心碑【Centre of Asia monument】 が建ってますが どんな数値を根拠にしてるのかがわからない状態です‥‥ 一方で、ウルムチ市から南に35km下ったトコに 中国政府が主張する『 亜洲大陸地理中心碑 』があったりしますが ココはあくまでアジア大陸の中心で 日本、フィリピン、インドネシア、東ティモールとゆった 西太平洋島嶼国まで含めての『 アジアの中心 』は まだどこにも存在してません パッと見的には、おそらく南京か上海あたりとなるのでしょうが だったら。なんでこの地域は『 中央アジア 』と名乗ってるのか？ とゆーと、南米のフンボルト海流の名にもなった ドイツが生んだ近代地理学の祖・アレクサンダー・フンボルトが 1843年に提唱したコトに由来します 地理学の権威が『アジアの中心』とゆってるからには‥‥ とゆー流れ的なモノでしょ〜か？ で。具体的に中央アジアとはどんなトコなのかとゆーと   上記の5つの国々から構成された地域のコトですが あえて伏せ字としてみました！ さあ。皆さん、この５ヵ国の国名を答えてみて下さい！ 正答率は5パーセント未満です。では、どーぞ‥‥！ 全部答えられた方、おりますか？ いませんね？ では。答え合わせしましょう〜！  はい。どこを見渡してもスタン、スタン、スタン‥‥ このことからバックパッカーの間では中央アジアのコトを スタン系――――と呼ぶのが倣わしとなってます で。この中央アジア、世界１位のロシア、２位の中国に挟まれてるから ちっこく見えますが、数字で紐解いてみると 中央アジア５ヵ国の総面積は400万3400km‥‥ メキシコ２個分、日本の約10倍とゆーから意外とデカい！ ただ。５ヵ国の総人口は約6000万人―――― つまり日本の人口の半分しかいないとゆいます 土地は10倍あるクセに人は半分‥‥その理由は 土地の大半が砂漠や山脈がほとんどで わずかな盆地に人がポツンポツンと棲んでるから！   はい。聡明な皆さんのコト。そろそろお気づきですよね？ つまり、この中央アジア、日本のあの県と良く似てますね〜 47都道府県で常に忘れ去られがちな 四方を山に囲まれたあのショボい県‥‥そう！ 中央アジアとは、日本でいえば岐阜県です！ ところで。現在アシアナ航空 OZ-577便はとゆーと 集会前夜のヤンキーのウルトラ・ドデカ・ヘッドのよーに アツく、激しく、潔く、ソリコミを入れる要領で 中国大陸深部の上空を一路西へと向かって航行中です すでに東から押し寄せる漆黒のベールが 地上を闇の世界へと収斂さしてく中――――   ２ヶ月ぶりにやってきました！ 中国最西部の最大都市・ウルムチ上空到達です！ こっからアルマトイまで残り約１時間！ しかし。その１時間は大昔の旅人たちにはあまりにもツラすぎる難所！ さあ、見えてきました！ 古代シルクロード時代から 中国と中央アジアを分け隔ててきた天然の万里の長城！   ちなみに。自慢の手品を披露してくださてるのは 都内某所でフランス料理を営む山田裕之助さんです！   ありがとう！ 今度喰いにいくよ！ 10万年後ぐらいに！ ――――などゆー冗談はおいといて。改めまして天然の万里の長城！   最大標高7000メートル級の天然の要塞・天山山脈を越すために 古代の旅人たちは南北二手に分かれて道を拓きましたが 今回行くカザフスタンは、山脈の北側――――天山北路に位置します そんなシルクロードの旅人たちを苦しめた天山山脈を 暗夜な高度1万メートル上空から横一文字にぶった切り 中国国境を越える前に機内に電気がつきはじめると同時に まるでマーラの交響曲第１番『巨人』の第４楽章の金管奏者の立奏のよーに 人々は次々と席を立ち、トイレに向かいます （ アルマトイ空港はトイレが少ないからです ） そんな盛り上がりを魅せる中、ついに――――   アルマトイ市街が見えてきました！ ついにアジアの奥地に来ちまったか――――！ アジア制覇系の見果てぬ夢！ 必達の地へと来たにも関わらず 私の心の中は後悔ばかり！ 風がそう囁くんです！ ヤバい！ ヤバすぎる！ と！ 
かくしてカザフスタン時間の午後10時45分 アルマトイ国際空港に到着！ 気温31度、湿度45パーセント―――― ほとんど日本と変わらぬ熱帯夜のジメッと感が 降機とともに全身を覆う中、イミグレへと向かいます イミグレではパスポートと入国カードを提出！ 現在カザフスタン政府はビザフリー・テストプロジェクトを励行中で 日本国籍者は短期滞在ならビザは不要なため ハンコを２カ所貰っただけで晴れて入国手続き終了です！ さあ。最高のデキ試合をしに行きましょう！ | ||||
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