. たとえ、この身に代えてでも
たとえ、この身に代えてでも
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ア ル マ ト イ →ド ゥ シ ャ ン ベ
−  1 5 年 8 月 上 旬  −
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狂乱の一夜が明けてアルマトイ国際空港です!



や〜。マヂであの窓付けエアコン効かねー、効かねー!
おかげで昨夜は寝る間を惜しんで爆睡しましたよ!



日本のデスバレー=埼玉県の熱帯夜をナメんなよ!
‥‥って。こんなクソ暑ちいトコで叫んでもナンですので
とっとと次なる中央アジアへと向かいましょう!



次に向かうは中央アジアの最貧国・タジキスタン!
その首都・ドゥシャンベです!

おぉー! 優等生の次は最貧国! 振り幅デケー!



撮影に関して一部トラブルがありました
サイゴは類い希な私の美貌が物を言い
無事、出発ロビーへと辿り着きました



んー‥‥? 妙だな。なにかモノ足らないぞ? あっ! そーか!
あー! 忙しー! 忙しー! 自分探しで忙しー!
‥‥を体現した日本人バックパッカーの姿が一切見当たりません!
アジアの空港では、必ずこーした空間の四隅あたりに陣取り
2次元から3次元に迷い込んだときの幾原監督なみに
挙動不審な目を泳がして病的に周囲を窺ってるモンですが
ここアルマトイ空港にはそれがない――――



肉眼で視認できる平たい顔族モンゴリアンといえば韓国人ビジネスマンだけ‥‥
もしかして。ココにいる日本人って私だけ?
マヂで? ホントにここアジアなの? ヤバい!



私。いまひどく怖じ気づいてない? 幾原監督になってない?
そんな一抹の不安を覚えながらベンチに座ってると
搭乗の呼び込みが始まりました!



エア・アスタナ KC131便、ドゥシャンベ行きです!
エア・アスタナを日本で見ることはありませんが
それよかこの機体自体が珍しい――――
EMB190――――ブラジルのエンブラエル社製の
リージョナルジェット短距離ジェット機
です



ボーイングやエアバスとゆったいつものアイツラと比べ
キュッと引き締まったナイス・ボディな体格が特徴!



しかも。座席は2×2席とゆー小型機ならではの配分で
こんだけウェスト廻りがエクセサイズしてると
席幅なんてギュウギュウになるモンですが



エコノミーでも充分なシートピッチ!
やるぢゃん! コレならリオのカーニバルができる!
こーなったら、私が情熱のサンバを――――
‥‥と服を脱ぎ始めよーとした時、ドアクローズとなりました



時刻は11:15。定刻どーりの出発です!
眼前に立ちはだかる標高3000m級のアラタウ山脈に
グーパンをブチ込む肩慣らしでもするかのよーに
リズミカルなステップでフラップを上下させながら
駐機場から滑走路へと躍り出ます!



さあ! 機体も私も気合い充分!
快食! 快便!
 ウンチブリブリ!
飛びましょう! 今は亡きワルシャワ条約機構の空へ!



揚力を得たエア・アスタナ機は、エンジンロータをフル回転させながら上昇を続け
一気にアルマトイ空港が遠ざかってきます
大きな左旋回ののち、方位針を南西へとピタリと定めて



アルマトイ市街地上空を練り歩きます!
地上で繰り広げられる予定調和な人間ドラマを嘲笑うかのよーに
ナナメ上の世界を目指してなおも上昇を続けます
やがて巡航高度に達した時、街並みが途切れ
ココがどこであるのかを実感する、あの光景が――――
右窓をご覧下さい!



サルイイシコトラウ砂漠です!
げそいく●のマグカップなみに大地が黄ばんでます!
地平の限りを埋める熱砂の大地! コレを待っていた!



コレこそ中央アジア! シルクロード――――
遥か遠い昔、ラクダに乗った行商人たちが
ローマへ、あるいは西安へ往還してた‥‥!
距離にして全長7000km! 呆れるほどに気の遠くなる
その壮大な旅路の一端を肉眼で目の当たりにして
思わずデヘ♥顔ですっ!



そんな灼熱の大地に思いを馳せながらも
エア・アスタナ131便は天山山脈に端を発する
アラタウ山脈を左手に見ながら順調に航行を続けます
おや? 眼下に大きな都市が見えてきました‥‥



ウソ? ビシュケク? キルギスの首都ぢゃん!
待って! アルマトイをってまだ10分だよ?

しまった! こんなんだったらキルギスを先攻するんだった!



頼む! 私を今すぐココで降ろしてくれっ!
あー‥‥市街地中枢が過ぎ去ってく!
待ってろよ! ビシュケク! 次は必ず行くからな!
アルマトイ=ビシュケクってこんなに近かったっけ?



188km? 大宮−郡山ぐらいの距離ぢゃん!
それを人々は陸路で5時間かけて移動してんの? なにやってんだよ!
JRグループ! 新幹線を中央アジアに売り込めよ!



トルクメニスタン以外の4ヵ国はココらに集中してんだからさ!
そーすりゃ中央アジアの旅はスッゲー楽になるぜ!
‥‥などと、我ながらハラショーな意見を述べたトコで
お食事の時間となりました!



オッ? コレはもしかしてアップルパイですか?
やるぅ〜! リンゴの里・アルマトイ!

‥‥と思いっきりカジッたらポテトパイでした
アップルパイのほーが良かった! 良かったのにーっ!
‥‥などと脚をジタバタさしてると私の消化器官が誤作動し



ヤベェ‥‥メシ喰ったらまたウンチしたくなった!
ってコトでトイレに行きつつ、タジキスタンの解説です!



中央アジア最貧国! タジキスタン!
米ソ冷戦下ではソ連邦の鉄のカーテン南端部に属し
アフガン侵攻の拠点となってた国です
冷戦後に独立するも国家のありようを巡って
92年から内戦状態に陥り、5〜10万人に及ぶ死者を出し
首都ドゥシャンベでは道に死体が遺棄される中で
市街戦が展開されたとゆいます‥‥
そんな内戦が終わったのは、いまから約18年前――――
ダイアナ妃がパリで事故死した1997年まで
実に5年に及ぶ戦闘で国土は荒廃したと聞きます
現在一人あたりのGDPは1000ドル――――
その半分がロシアなど海外で働く人たちの仕送り
国民の大半が年収350ドル(=4万3千円)未満の生活を送る
中央アジア最貧国の道をwwwwwwっ! 歩んでwwwっ! ますっっっ!
すいません。つい、イキんぢゃいました‥‥
さて。すっかり便秘が解消されたトコで席に戻ります!



現在、キルギス南部のザアライスキー山脈の上空を
相手の経絡秘孔を突くよーなイメージで縦断中です!
底知れぬ深い谷と、森林限界をとっくの昔に超えた峻峰の岩肌‥‥
なんだかグフでも出てきそーな雰囲気ですっ!
ランバラルはこんな景色をみながらゲロマズコーヒーを片手に
ホワイトベースをこっぴどく追いつめたんですか‥‥
なるほど! 確かに! こんな美しい風景の中で



ジェットストリーム・アタックを喰らわしたら最高ですよね?
そりゃ〜も〜アムロだって叫びますよ!
マタルダさぁ〜ん!って!



そんな想いを馳せながら私を乗せたザンジバル‥‥ぢゃなかった
エア・アスタナ機は南西へ突き進み
荒涼とした大地が途切れ、たおやかに彩られた穀倉地帯が!



やがて窓辺に徐々に姿を現す文明の息吹!
広大な道路、コンクリートや日干しレンガな建物群‥‥



そして良く整備された都市――――見えてきました!



中央アジアの飛騨高山! ドゥシャンベです!
そして街の南部にどっかり腰を据える自然の大鉄壁!
冷戦下では東西陣営を分け隔ててたアジア版鉄のカーテンにして
ペルシャ語で『インド人殺し』との異名を持つソイツの名は――――




ヒンドゥークシュ山脈!
その向こうはタリバンはびこる内戦国・アフガニスタン!
ココは世界最大の麻薬密造工場・黄金の三日月地帯ゴールデン・クレセントからの
抜け道として国際的に問題視されてるエリア
でもあります!
そんなアジアの後背地にして番外地なヴァンガードに対し
カメラを向けてにこやかな笑顔でそっと囁く――――
背中がガラ空きだぜ――――
そんな心の中の絶叫で心中穏やかでない中
エア・アスタナ機は滑走路を正面に捉えグイグイ降下‥‥



現地時間11:53、ランディング・ギアが静かに接地しました!
同時にカザフ人どもがロシア風に拍手喝采!
え? いまどき着陸拍手? と戸惑う韓国人乗客たち!
そんな悲喜こもごもな人々を乗せ



出迎えご苦労! な誘導車フォローミーカーの先導のもとエア・アスタナ機は
まるでF1のパレードラップのよーに駐機場へと向かいます!
ココでエア・アスタナの機長がちょっとでもスロットル操作を間違えれば



あの誘導車フォローミーカーはケツを掘られて事故車ヘルプミーカー――――
――――そんな妄想にウツツをヌカしてるうちに
何事もなく新・国際線ターミナルのボーディングブリッジへと到着です!



私の到着を聞きつけた政府要人が空港職員に赤絨毯を敷くよう
怒鳴り散らす中、誘導員が『 あのぅ〜、良いスか? 』とお伺いをたて



タジキスタン時間、午前11時57分――――
『 タジキスタンの悪夢の幕開け 』と後世に知らしめる
私の到着となりました!

通路で見送るカザフ人スッチーに『 スパシーバ 』と挨拶すると
勝手に盛り上がってアメ玉を渡してくれる
ボーディングブリッジから館内へ



一日6便しか飛ばないクソ田舎の国際線ターミナルは
その巨大な体躯を持て余すよーに静まりかえる中



沖止め駐機場には国営タジキスタン航空民営のサモンエアの機体が見えました
ちなみに。サモンエアもアルマトイ=ドゥシャンベを
エアアスタナより2万円ちかく安い値段で飛んでますが
今日の便は機体整備で休航とのコトです!
やべぇ! 安さにつられて危うく予約するトコでした!
さて。そんな中、入国審査場へと到着しました



いよいよタジキスタン入国です!
ついにエアアスタナ機内で配られるコトがなかった
タジキスタンの入国カードは審査場の前の記帳台にあります
『‥‥歩き方』『ロンプラ』はおろかどのウェブサイトにも
一切載ってないタジキスタンの入国カード!
本邦初公開します! コレです!

  

ちょっくら説明しましょう!
カードにはA(入国書類)B(出国書類)が綴られてますが
まずは両方とも記入です!
ウワサによると文面はロシア語のみとのコトでしたが
よく見ると各項目の下に英語があるので楽勝です!
基本的にロシアの旧入国カードとほぼ同じ体裁となってます!
で。書けたらパスポートとともにイミグレに提出です!
基本、ビザさえ問題なければすぐに入国印を押してくれます!
ちなみに私の入国審査時間は‥‥‥8秒7!
ウサイン・ボルトの世界記録には勝てました
ウチのガス給湯器の着火時間には及びませんでした!
そしたらAとBが切り離され、が返ってきます
Bは出国時に提出するので、必ずなくさないで下さい
もし。なくすとそれはも〜末代まで語られる悲惨な末路を辿ります!
で。ターンテーブルで受託荷物を受け取ったら
あの! 悪名高い税関審査ですっ!
タジキスタンの税関で入国時に税関申告書を提出したり
税関職員立ち会いのもと所持金チェックをしないと
出国時に『ダラー!ダラー!』とタカられる‥‥

とのもっぱらのウワサ! そーか、タカられるのか!
心して挑んでやる! との気合いのもと税関に向かうと
職員『 はい。荷物をX線にかけるから。乗せてぇ〜 』
‥‥との職員の指導のもと、X線にかけると
職員『 はい、OK! いって、いって‥‥ 』
ちょ! ちょっ待てよ! 税関申告書!
職員『 ソールドアウト! 』
‥‥との一言で追い払われました。売切ってなんだよ‥‥つか



良いのか? 出国のときタカられねぇか? と不安になりましたが
出国時は再び荷物にX線をかけただけでタカリは皆無‥‥



フツーの途上国の税関なみの軽さです!
色々と心配してたワリに簡単に入国できちゃった‥‥



中央アジアの奥座敷・タジキスタン!
日本人からすればアウェー感丸出しなこの地
ちゃんと相手の間合いに入って足払いできるのか?
上手に頸動脈を仕留めるコトができるのか?

言いしれぬ不安と緊張が錯綜する中



ついに戦いのゴングが鳴り響く――――

新情報に乗じて、いろいろと、しでかしてくれましたね?良いぞ。私、もっとやれ!
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