| -Track:04- 台湾動画スタジオの解放！ |
| 【踏査日】2006年9月某日 【報告】ペロッと斬♪鮫 |
せっかく台湾まできてDVDを探すだけぢゃ
天下の『あにめチック』の名がすたる！
アニメに関するありとあらゆる物を見つけ出し
しめあげ、毒牙にかけ、吊し上げる‥‥それがあにめチック！
つーワケで台北動画スタジオの旅です！
まず。軽く台湾の動画下請けの歴史から、振り返ってみませう！
かつて1970年代に、まさかの虫プロ破産で大手といえども潰れるコトを
目のあたりにした日本の各アニメスタジオは
できるだけコストダウンを図ろうと、円高差益を利用して
海外に仕事を投げるコトで『第二の虫プロ』になるのを
避ける手段に打って出ました
ヤツらが最初に目をつけたのが近隣諸国の韓国、そして台湾です
韓国の開拓は東映アニメーションが最初となりますが
台湾の開拓は当時の東京ムービーで、その先陣をきったのは
故・楠部大吉郎・シンエイ動画会長でした
シンエイ動画とゆーと、今でこそ『ドラえもん』スタジオとして
有名ですが、当時はＡプロダクションとゆい
東映アニメーションを離脱した人々が新天地を求め
辿り着いたのが東京ムービーで
その系列のトップにあったのがＡプロダクションでした
Ａプロもまた、動画部門を海外に発注するコトで
アニメーターの肥大化で崩壊した虫プロの二の舞を防ぎます
その彼が選んだのが台湾です
当時、台湾は日本の植民地から独立したものの
大陸との対立が激化し、西側諸国、とくに
親米路線をとるコトでその存在を誇示してました
しかし、とくに産業があるワケでもなく、大陸から逃亡した
亡命政権がかろうじて存続してる地域ですから
外貨を稼ぐ手段がありません
そこで香港を国際的立場が不透明なコトを良いコトに
先進国のブランドをコピーしまくり
関税を思いっきり引き下げて
世界の闇市場へと供給したのが台湾の歴史とゆって良いでしょ〜
そんなモンですから台湾圓なんてモノは紙くず同然
しかも、まだ当時はインフレなんてものの厄災には
見舞われてませんでしたから、物価が思いっきり安い！
しかも旧植民地だから教育水準も高いし
日本語もわりと通じる‥‥
海外発注先としては好条件が揃ってたんです！
そーしてできたのが『影人電影公司』でした
コレが台湾史上初のアニメスタジオとゆわれてます
こーして始まった台湾スタジオは成功し、評判をききつけ次々と
アニメ下請けが台湾にできるよーになりました
とくに有名な年代動画も、この時期、台湾でスタートしました
しかし、1982年になって、それらの台湾下請けに
ディズニーアニメ『トロン』の発注がかかります
世界的有名なディズニーの仕事を断るなどできません
台湾のアニメスタジオはこぞってディズニーの仕事を受けますが
そのしわ寄せに日本のアニメ下請けが滞り、悪影響をもたらしました
これを皮切りに日本アニメは台湾から
国交正常化をはたした大陸中国へと
外注先が移ってしまい、またディズニー自体も
コンピュータの導入によって
海外外注に頼らない生産体制を築くコトになったため
台湾のアニメスタジオは退化していったのです
したがって、現在、日本アニメの下請けをしてる台湾スタジオは
ほんの一握りで、その他の多くは大陸中国へと移転してしまったか
あるいいは台湾オリジナルのアニメをつくってるか‥‥となってます
わかりましたか？ そんな数の少ないアニメスタジオにいってみましょ！ |
TVbean Inc.
http://www.tvbean.com/ or http://www.tvbean.jp/ |
| 最寄駅 | 台電 台北駅
北口から徒歩5分 |  |
| Adress | 台北市承徳路一段70号17F |
| Tel. | 886-2-2550-2890 |
| Fax. | 886-2-2550-2491 |
| 提 携 | プラネットエンターテイメント |
| 代表作 | 『魔豆奇伝パンダリアン』 |
台鉄・台北駅は台北のまさにド中心にあたる場所ですが
この台北駅の北口から歩いて僅か５分のビルに
台湾有数のアニメスタジオがある‥‥て知ってました？
さっそく場所を説明しましょ〜
まず台北駅の北側に出ます。ちょうど台北地下街のあたりから
承徳路とゆー北に向かった大通りがあるんですが
この通りを進んでみます
台北駅の駅は南側に向かって開いてるため、南側には高層ビルや
デパートが林立してますが、北口方面はからっきしハヤってません
ま。もともとこっち側には旧市街があって、大陸からやってきた
人々の貧困街があったりして、近代的な建設が
なかなか進まなかったんですが‥‥‥
おっと！ 行き過ぎるトコでした！ 道の対岸（左側）を注目！
ホラホラ！ あのビル！ あれがTVbeanの入ってるビルです！
こっからぢゃ、あんま良くわかりませんね！ 回り込んでみましょ！
TVbeanは、つい最近になって出現した台湾アニメスタジオです
主にキッズ向けのアニメを生産してます
ぶっちゃけ『パンダリアン』のヒットを元手に
株式会社プラネットエンターテイメントと契約して
日本アニメの進出を強かに画策してて
現在『銀河鉄道物語』の制作を足元で支えてます
そーいえばアレに出てくる列車のパターンって、あんま日本ぢゃ
見かけないタイプのものが多かったよーな‥‥ははん！ さては！
ココのアニメーター、台北駅をモデルにつくってるな！
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鴻鷹世界集団［台北スタジオ］
http://www.hong-ying.com/ |
| 最寄駅 | MRT新店線
大坪林駅 徒歩5分 |  |
| Adress | 新店市民灌路63号2F |
| Tel. | 886-2-89195678 |
| Fax. | ------- |
| 本 部 | 上海総本部
5F, Guiqing Rd.#15 200233,
Shanghai CHINA
86-21-54261633-35 |
| 代表作 | 『魔界奇兵』（メルへブン） |
さてさて。お次はMRT新店線で台北市を南下してみませう！
台北駅から8コ目に大坪林とゆー駅で降ります
ココの地所は台北市と南隣の新店市にあたりますが
場所的には台北市と新店市の、ほぼ境界付近とゆー場所です
ど〜やらこの街は自動車関係の職人さんの街のよーで
いたるトコに自動車の修理工場があったりしました
そんな大坪林駅の1番出口を降りて
目の前の民權路を歩いてると
ありました！ クソ生意気にも高層ビルの中にあるよ〜です！
フロア的には2Fのこのあたりにあると目されてます
実は鴻鷹は上海に本部があるスタジオなんです
もともと3DCGが得意で、主にディズニーアニメとの取引が
多いんですが、この台北スタジオは魔界奇兵、日本でゆー
『メルへブン』の動画協力をやってるよーです
動画協力ですよ、動画協力‥‥
制作協力だったらサブスタ扱いですが
こっちはただの使いッパ。下請け中の下請けですね
『メルへブン』って確かジーベックでしたよね？
ジーベックそのものが寄せ集め集団で、ほとんどが韓国や中国の
スタジオに丸投げしてる会社ですから
鴻鷹の、それも海外支社にすぎない台北スタジオにも
その恩恵が施されてるっワケですか‥‥
意外なトコで共通してたりしてます
きっとジーベックに送られてきたカット袋には
片隅に『鴻鷹』と記されてあるだけで
はるばる中正国際空港を経由して送られてきてるコトを
ジーベック社内で、どれだけ知ってるのか‥‥‥ |
宏広動画［Wang Film Productions Co., Ltd.］
http://www.wangfilm.com.tw/ |
| 最寄駅 | MRT新店線
大坪林駅 徒歩25分 |  |
| Adress | 新店市中正路542号6 |
| Tel. | 886-2-22180700 |
| Fax. | 886-2-22186428 |
| 旧社名 | Cuckoos Nest |
| 代 表 | ジェームズ・ウォン |
| 代表作 | オリジナルアニメ |
で。そんな鴻鷹の台北スタジオから、さらに民權路を歩きます
すると中正路とのT字路交差点となりました。これを右に曲がります
しばらく中正路を歩いてみます。右手には遠東工業区とよばれる
機械工業系の地域が広がってます。とゆっても、そのほとんどが
自動車屋さんばかりで、要は自動車修理屋の巣窟な街並みを
ただブラブラと歩いてるだけなんですが、そんな自動車修理な
街並みとはそぐわない建物が見えてきました！
この、くすんだ白亜の殿堂、これが宏広動画です
ココは台湾オリジナルのアニメーション、それも3DCGを
得意とするトコです。スタジオ自体は1978年に開設されましたが
『トロン』以降、ディズニーの外注でどんどん成長してったトコです
英語名では『Cuckoos Nest』とゆってましたが
最近、ココのスタジオの制作が世界的に評価され
社長の名前をとってWang Film Productionsと語ってます
台湾スタジオにとって『トロン』が明暗を分ける分水嶺となったワケですが
こっちは勝ち組となった筆頭スタジオとゆえるでしょ。台湾アニメとゆえば
宏広、その事実はアメリカ、ヨーロッパに深く浸透してます
もし、あのとき日本アニメの下請けを続けてたら、きっと
このアニメーターは世界を舞台に闘ってなかったでしょう
良かったね！ 社長に感謝しなさいよ？
ところで、この玄関前のオブジェも気になるトコですが
このスタジオから北に進んだ交差点の向こう側にある
この怪しげなショップの正体はいったい‥‥？
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太極影音科技股份有限公司［Digimax］
http://www.digimax.com.tw/ |
| 最寄駅 | MRT板南線
昆陽駅 徒歩10分 |  |
| Adress | 南港區南港路三段
50巷22-24號3樓 |
| 資本金 | 3億7000萬圓 |
| 代 表 | 黄寶雲小姐 |
| 従業員数 | 120人 |
| 代表作 | オリジナル3DCGアニメ |
ぢゃ、もー１コ、台湾オリジナルで作ってるトコ、いってみましょ〜か？
まずはＭＲＴ板南線の東の終点・昆明駅！
駅を降りて、すぐ横を通ってる台鉄の踏み切りを渡ります
すると文字どーり、中国奥地の昆明のよーな光景が広がってます！
そう！ この通りの名は昆明街！ 良いセンスしてます！
つーっても昆明になんていったコトありませんが‥‥‥
で。そんな昆明街を縦断すると、突き当たりに南港路とゆー
ちょっとした広めの道路があるんですが
この交差点のやや左側に目的地はあります！
それが遼東智慧科学園区！ 今回の目的地です！
では入ってみま‥‥げっ！ 何？ なにこのゲートは！
立入禁止ゲート？ うっそぉぉ！ マヂで？
仕方ないな‥‥つーワケで、隣の50巷とゆー路地から回り込んで
反対側から侵入を‥‥‥げげげげっ！ こっちもゲート！
なんてこったい！ これぢゃあ外観撮影もダメぢゃん！
ムカつく！ なんだよ、この厳重警備は！
時間もないし、しょーがねぇぇぇぇ‥‥つーワケで！
50巷の路地から春水堂が入ってる部分を撮影！
まるで横っ腹を殴るよーな撮影の仕方ですがしょーがない！
非公開にしてるヤツラが悪いんだ！
つーワケで腑を煮え滾らせながら次いこ、次！ |
春水堂科技娯楽股份有限公司［Spring House］
http://www.kland.com.tw/ |
| 最寄駅 | 台電 南港駅 徒歩19分 |  |
| Adress | 南港區園區街
3之2號3樓之3 |
| Tel. | 02-2655-7399 |
| Fax. | 02-2655-7398 |
| 資本金 | 1億3000萬圓 |
| 代 表 | 楊小姐 |
| 従業員数 | 35人 |
| 代表作 | 『アークエとガッチンポー』 |
皆さん。『アークエとガチッンポー』って覚えてますか？
ええ、いつぞやテレ東の夕方にやってましたよね？
アレはもともとアメリカフォーブス誌の人気投票で
『アジアで一番有名なアニメの人物』として採り上げられてから
火がついたんですが、そんな便所アニメの制作スタジオにいってみませう！
場所は？ 南港？ チと遠いな‥‥
つーワケでこっからタクシーでダイレクトに抉ったります！
南港路から重陽路に入り、その突き当たりの手前の圓区街の路地へ！
15分も走ったら、そこには巨大な近代都市がありました！
ここが軟體工業園區です！
ココらは南港経貿經園區と呼ばれ、最近になって切り開けた土地です
なんでも外資のための経済特区とかゆーコトで
日本企業もいくつか参入してますね
将来的には鉄道なんかもひくよーで
MRT板南線が延伸されれば、一番近いのは『經貿北站』となります
そんな南港経貿經園區の中にある軟體工業園區なんですが
このH棟の中に『アークエ』制作スタジオのスプリングハウス
台湾名でゆートコの『春水堂』があります
や。ココが世界一有名な便所アニメの生産地‥‥
ディズニー流の台湾アニメの手法で描きつつ
土着文化的には日本アニメを見て育ってるとゆー
トランスワールドな台湾アニメーターたちが
この中でゆっくり熟成されてるんですね‥‥
日本アニメの下請け、ディズニーの下請け、そして台湾アニメと
それぞれの流儀や作法は異なりますが、そうゆった色んな文化が
まざりあって、次世代の台湾アニメーターどもは
次はどんなドギモをヌかしてくれるのでしょ〜か？
そんな期待をこめてサイゴにココを訪れました
てな具合に、何だか流れ的にまとまっちまったトコで
台湾動画スタジオの旅をシメたいと思います！ |
